勝手に氷 [TAWAGOTO]
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友達がこんなことを言いました。
「このまえ冷蔵庫を買いに行ったんだけどさ~、これだ!っていうのがないんだよね~」と。
私は
「ありゃま、そ~なんだ~」と答えました。
「そーなんだよ~、俺 ウイスキー大好きじゃん、それ言ったら店員さんが勝手に氷を作ってくれる冷蔵庫がいいですか?って聞いてくるわけよ」
「うん、それで」
「で、そ~ですね~勝手に氷を作ってくれるやつがイイですね~って言ったのね」
「ほう、ほう」
「そしたら店員さんが、でしたらたくさんございますよって言うんだよ」
「うん、うん」
「で、勝手に氷を作る機能がついた冷蔵庫をたくさん見せてもらったわけよ、店員さんが イイですよ~なんせ勝手に作ってくれますからね~とかって言いながらね」
「うん、なるほど」
「で、俺は聞いたのよ、氷を作って欲しくない時にはどうすればいいんですか?って」
「うん、」
「そしたら店員さんが、氷を作って欲しくない時にはスイッチをOFFにすればいいだけですよって言うんだよ」
「うん、うん」
「どの機種もそうですか?って聞いたら、 ハイ どの機種も勝手に氷機能のスイッチをOFFにするだけでいいんですって言うんだよね」
「うん、なるほど」
「で、俺は思ったわけ、そんなの勝手に氷じゃないじゃん!って」
「え、?」
「勝手に氷って言うからには冷蔵庫の持ち主がどう思っていようと、
どんどん勝手に氷を作るような気骨のある冷蔵庫であってこそ
勝手に氷だと思うんだよね、
そういうのだったら買いたいなって店員さんと話してるうちに思っちまったのよ、
ホント馬鹿だと思うんだけどさあ!」
「うん、なるほど、勝手になんだからね、
持ち主の意に反してでも氷を作るべきかもね」
「そうだよ、こっちが もう十分過ぎるほど氷はあるから頼むから作らないでくれって思っていたって
どんどん勝手に作ってこそ勝手に氷冷蔵庫ってもんだよ、
で、そんな手に負えない冷蔵庫でウイスキーを楽しんでこそ男ってもんだよって気がしちゃったんだよね、」
「なるほどね、じゃじゃ馬を乗りこなしてこそ男ってわけだね、
だけど本当にお前の意に反して氷をどんどん作られちゃったら
お前のあのせっかくの新築の家が氷で埋まっちゃうよ、
お前は それでもいい!男として気骨のある冷蔵庫が欲しいんだって言うかもしれないけど、
奥さんと子供は凄く困ると思うよ、
建てたばっかりの家がお前が買った冷蔵庫のせいで氷で埋まっちゃってさあ、
大切な家族が困る姿は見たくないだろ?」
「うん、見たくない、と言うより家族を困らせたくない、
だけど、気骨のある勝手で誰の手にも負えないような冷蔵庫と対峙してみたいってのがあるんだよ男として」
「カーッ!男ってのはバカだね~、
まあ俺だってバカの中の大バカだけどさあ」
「自分でもそう思うんだけどさ、
氷を作ることに関しては誰からの指図も受けねえよっていうような冷蔵庫、
そんな冷蔵庫の使いにくさを乗り越えてウイスキーを楽しみたいのよ、
そういうウイスキーこそ超旨いと思うんだよね
まあそういう特別な冷蔵庫ってメーカーに特注で頼むしかないんだろうけどさあ、
で、そんな扱いにくい冷蔵庫を自分の力で使いこなす日々を楽しみながらも家族を困らせたくはないんだよね、
家が氷で埋まっちゃうとかはホント困るからさあ、
なんかいいアイデアはないかねえ ryoujin?」
「う~ん、まあ一つあるよ、お前が気に入ればだけどね」
「えっ?、どんな?、教えて!」
「まずメーカーに誰の指示にも従わない気骨があって本当に勝手に氷を作る冷蔵庫を作ってもらうわけよ、特注で」
「うん、イイねえまさに俺の望む冷蔵庫だね、それで?」
「その冷蔵庫には音声認識機能を付けてもらっておくわけ」
「うん、」
「で、氷を作ってもらいたい日はほっときゃいいのよ、だって勝手に作るんだから」
「うん、なるほど」
「で、問題は氷を作ってほしくない日だよね、
そういう日は冷蔵庫に向かって今日は氷を作ってねって言うんだよ、
音声認識機能を付けてもらってあるんだから」
「え?作ってほしくないのに?、氷を作ってねって言うの?」
「そう、その冷蔵庫が本当に勝手な代物だったらこれで氷を作らないはずだよ、
だってこれで氷を作るようなら勝手に作ったことにはならないし、
何よりお前の指示に従ってしまうことになるからね、
もしこれで氷を作るようならその冷蔵庫は堂々とメーカーに返品できると思うよ、
この冷蔵庫注文したのと違って凄く素直なんですけどって言ってね」
「なるほど~^^」
「慣れてもらうためにちょっと練習してみようか?」
「うん」
「じゃあ、今日は氷を作ってほしくなくて、明日は氷を作ってほしい場合は何て言えばイイと思う?」
「え~と、今日は氷を作ってね、明日は氷を作らないでね」
「そう、そのとおり!
そう言えばその冷蔵庫は今日は氷を作らなくて、明日は勝手に氷を作るだろうね」
「もっと強い口調で言うと効果的かもね、今日は氷を作れ! 、明日は氷を作るんじゃない!みたいに」
「そうだね、なんてったって勝手で気骨があるからね、
作れ!なんて言われたら作るもんか!、
作るんじゃない!なんて言われたら絶対作ってやる!ってなるかもね
まあだけど作ってねとか作らないでねって優しく言って冷蔵庫が気分良くこっちの言うことを聞いてくれずにこっちの意図したことをやってくれるわけだから
優しく言った方がお互い気分がいいかもね」
「そうだね、じゃじゃ馬を乗りこなすってのはそういうことかもね^^」
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